読書初心者におすすめ。映画化で話題! 川村元気 『世界から猫が消えたなら』※ネタバレあり

 

 

 

 

今回は映画化で話題になった川村元気さんの

世界から猫が消えたなら』を紹介していきます。

www.sekaneko.com

 

佐藤健さんや宮崎あおいさん、濱田岳さんと豪華キャストですね。

 個人的にも宮崎あおいさんタイプなので最高です(笑)

 

11月16日にはBlu-ray&DVDも出ますね。

 

作者の川村元気さんですが、

モテキ」、「電車男」、最近では「君の名は。」、「何者」等の映画の

企画・プロデュースしたことでも有名です。

 

小説では「億男」という作品も出していますが、

世界から猫が消えたならから読むのをおすすめします!

 

映画にも携わっているから?というのもあって、本当に読書をあまりしたこと

ない人でもすぐ読み進められます。

 

さて、まずあらすじですが、

登場人物

彼女

キャベツ(猫)

アロハ(悪魔)

ツタヤ(僕の親友)

母さん

父さん

 

です。

 

主人公である30歳郵便局員の「僕」は、あるとき病院でもうあと1日しか生きられないと宣告されてしまいます。

 

家に戻ると、そこには自分と全く同じ姿をした悪魔(アロハシャツを着ていたからアロハ)がいました。

もうこの時点で非現実的ですが。。

 

アロハは言いました。

「世界からなにか1つ消せば1日だけあなたに命を与えましょう」

消すものはアロハが選ぶのですが。

そして消す前に一度だけそのモノを使うことができる。

 というルール。

 

この1回だけ使えるというルールが結構作中で重要になるのですが。

 

実際に消したものがこちら。

順番に

 

電話、映画、時計、猫 です。

 

最後の電話は、元カノにして、最後の映画はTSUTAYAで働くツタヤに紹介してもらったもので、

 

時計がなくなった世界は時間という概念がなくなり、時計屋の父の仕事がなくなり、

実は時間という考え方は人間が勝手に考えたもので、猫などの動物には、

時間という概念がない、ということに気づく。

 

そして猫が消えた。亡くなった母親との最高の思い出で、最愛の猫のキャベツが消えた。

 

その間のプロセスはぜひ読んでいただきたいのですが。

それぞれがなくなった世界で「僕」は何を思うのか?

そして最後、これからも消し続けて、延命し続けるのか?

 

ここではあえて答えを出さないので、たまたまこのブログに来た方、

買おうか悩んでいる方はぜひ購入して、

自分と重ね合わせながら、読んでみてください。

www.shogakukan.co.jp

 

ちなみにキャベツ(猫)視点で描かれた

『世界から僕が消えたなら』という作品もありますので、こちらもぜひ。

 

www.shogakukan.co.jp

そしてここからは僕の感想と解釈、ネタバレ。

 

まず世界から電話が消えたなら。

スマホ依存の僕からしたら想像もつきませんが(笑)

友達との約束等は、すべて直接会うか手紙で行わなけばなりません。

めちゃくちゃ不便ですが、時代をさかのぼれば、電話が当たり前の世界なんて

最近のこと。自分で考えても、小中学生だったころは携帯はなかった。

そしてそれが当たり前でした。

他の消したものも共通ですが、きっと当たり前にあるものなんて自分たちが

勝手に作り出したもので、ないならないで、結局「ない」ということが

当たり前になっていく。

 

作中の世界がそうだったように。

 

ばあちゃんが死んだときは、当たり前にいつもいたばあちゃんが突然いなくなって、

あんなに辛かったのに、時間がたっていないことが当たり前になると

やがて辛さも忘れてしまう。

みたいなものと一緒で。(ちょっと僕はポエマーかもしれない)

 

大好きな映画が消えたって、時計が消えたって、最愛の猫が消えたって、

きっとそれがいつかはないことが当たり前になってしまう。

 

そんなことをおもいながら、「僕」は亡くなる前の

優しい母親と、昔は仲良かったのに今は疎遠の父親のことをまず思い出したのかなあ。と思いました。

 

「母親や父親がいない今の自分が当たり前になっていた、それが悲しい。だからもうその今の当たり前のものを消してはならない」

 

と、考えて結局最後は自分が死ぬことを選んだのかなあ、というのが僕の解釈です。

 

最後父親に会いに行く道中で作品は終わりますが、それも興味深いですね。

電話という「当たり前」を自ら消して、それがなくなったことで、

会いに行くという選択肢を取ることができた。

 

もし電話があったら、話は電話だけで済ませていただけかもしれませんし。

 

電話というものがなくなったことで、「直接伝えることの重要性」を

「僕」そして読者に教えてくれた気もします。

 

当たり前にある音楽、テレビ、スマホ、友達、親、食べ物

すべて噛みしめて、伝えることはちゃんと伝えないとなあ、

とベタですが思いました。

 

と、僕の解釈はこんな感じですが、

読者の感じ方次第では、違う物語が脳内再生されるような作品だと思います。

 

ぜひ読んだ方は、この作品の自分なりの解釈を教えてほしいです。

コメント待ってます!

 

よろしくお願いします。

 

では!